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「そなたが産まれた時は、あれこと気をんだものじゃが、この父の予想に反して、
そなたは優しく、聡明で、そして強い娘に育ってくれた。もしも、そなたに…」
ふいに信長は言い淀んだ。
「どうぞ、って下さい」
胡蝶は何を言われても構わないという気合いで、先をした。
信長は穏やかな表情になって、再び口を開く。
「…もしもそなたに、身体の障りがなく、他の姫たち同様に、この信長の娘であると公言出来る立場にあれば、
織田家のとして今よりもずっと素晴らしい人生が待っていたであろうに──実に惜しきことよ」
胡蝶は、頬に当てられた父の手の上に、自分の手を重ねると 香港顯赫醫學植髮中心 NU/HART - 保證有效、安全、永久、自然、美觀
「私は、今の暮らしに甘んじておりまする。だと思える程に」
信長に暖かい眼差しを向けた。
「何せ私は、父上様や母上様、私を支えてくれるから、これ以上ない程の愛情を受けております故。
常々申しているのですよ。こんなに恵まれているのに、一々文句など言うていたらが当たると」
「胡蝶…」
「信忠の兄上も何かとお気遣いをお示し下さいますし、蘭丸様も側に付いてくれております故、私にとっては、
今が最も幸せな時なのでございます。ですからどうか、左様にお悲しきお顔をなさらないで下さいませ」
な胡蝶の微笑みを見て、信長はが下りたような、
どこか爽快さの漂う面持ちで、改めて愛娘を見つめ返した。
「左様か…。 そなたが幸せであるのならば、それでい」
信長は優しげに双眼を細めると
「──さて、中国から戻って参ったら、そちと蘭丸の祝言じゃ。これから忙しゅうなるぞ」
「はい。覚悟致しておりまする」
「今更であるが、相手はまことに蘭丸で良いのか?」
「勿論にございます」
「儂がその気になれば、もっと条件の良い相手を見付けてやることも出来るのだぞ」
本気とも冗談ともつかぬ口調で信長が言うと、胡蝶は笑んでかぶりを振り
「いいえ、蘭丸様が良いのです」
と迷いなく告げた。
「蘭丸様は姿形ではなく、常に私の内面に目を向けて下さいます。その実直さ、誠実さが、憂いた私の心を何度救って下されたことか──。
何より私自身が、あのお方にかれ、妻になりたいと思うているのです。蘭丸様以外のお方など考えられませぬ」
胡蝶は満面に笑みをえながら、静かに首を振った。
すると信長は、やおら浅いめ息を漏らし、面白くなさそうに下唇を噛んだ。
「蘭丸めが…、織田家の嫡女をここまで骨抜きにするとは、実にけしからん奴よ。
婚儀が終わったら、あやつを一生 ただ働きにしてくれるわ」
「またそのような意地悪をって」
「そなたという最も価値ある宝をくれてやるのじゃ。儂からこれ以上 むのは贅沢というものよ」
「まぁ。ふふふ…、でも、確かにそうですね」
「そうであろう?」
信長と胡蝶は目を見合せ、冗談まじりの心地の良い笑い声を響かせた。
まさかこれが、最後の父と娘の会話になろうなどとは、いに知る由もなく──。
信長が胡蝶の部屋を去ってから、ほど経った頃
「申し上げます──。御台様、大方様、共にお越しにございます」
今度は、濃姫と報春院がやって来たとのせが、お菜津によってもたらされた。
部屋の前の入側で、端然と双の手をつかえているお菜津に、胡蝶はそうな眼差しを向ける。
「…母上様とお様がご一緒に?」
「左様にございます」
母と祖母が共にやって来るとは実に珍しい。
しかもこのような忙しい朝に。
「わざわざお二人揃ってとは──何用であろうか?」
胡蝶の問いに、お菜津は満面に動揺を走らせると